STANLEYTEAM KUNIMITSU

RACE 2014 SEASON

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2014 SUPER GT

ROUND6 SUZUKA

第6戦 鈴鹿サーキット

公式予選 8月30日(決勝レース 8月31日(
QUALIFYINGRACE
RAYBRIG NSX CONCEPT-GT、浮き沈みの激しい戦いの中、6位入賞を果たす

 前日に引き続き、薄曇りの朝を迎えた決勝日。しかし、1コーナー側から吹く風は爽やかで、また時折夏の名残りを感じさせる日差しが照りつけるなど、絶好のレース観戦日和となった。
 午前8時30分から行われたフリー走行は30分間のセッション。1000kmという長い戦いを控える中、決して十分とはいえない時間のようにも思われるが、その中でもチームは最終調整で手応えを得ようと、まず小暮をコースへと送り出した。
 ところが、開始から10分も経たないうちにスロー走行するNo.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTがテレビに映し出される。ヘアピン立ち上がりから失速した車両はその後もスピードを失った状態でコースを周回。なんとかピットに生還する。トラブルの原因はタービンブロー。すぐさまスタッフの手によって修復作業がスタートする。決勝までに作業は完了できる模様で、不幸中の幸いだったといえる。

 午後12時15分、まずは三重県警の白バイ、パトカーに先導されて出走車両39台がダミーグリッドを離れる。グランドスタンドをはじめ、サーキットには3万6000人のレースファンが集い、これから始まる熾烈な戦いの行方を見守った。このパレードランが終わると、改めてセーフティカーが先導。1000km、173周に渡る戦いがスタートする。

 No.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTのスタートドライバーを担当したのは、小暮。早速、ポジションアップを狙って勝負に出たが、あろうことかダンロップコーナーで後続の1号車と接触。このアクシデントで小暮はスピンを喫し、コースアウトする。グラベルにストップした車両は、しばらくしてから牽引されてコースに復帰、引き続き走行可能と判断した小暮はそのままレースを続行。ほぼ1周のラップダウンとなったが、追い上げを見せようとした。

 しかし、不運にも接触の際に破損したリアカウルの一部がはがれ落ちる可能性が高いという理由から、5周走行中にピットインの指示が下る。ピットに戻ったNo.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTは、カウルの修復とタイヤ交換を実施。ドライバーは引き続き小暮が担当し、レース復帰を果たしたが、トップから2周遅れという大きな痛手を負うことになる。
 だが心機一転、小暮が高い集中力を見せる。復帰直後は、リアカウル一部破損の影響でクルマのバランスが崩れ、ドライビングにも多少影響が出たようだが、その中で最善を尽くそうと力走。GT500の最後尾である15番手からポジションアップを目指すという大きな目標に向ってドライビングを続けた。
 レースはその後、No.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTに限らず、様々なハプニングを引き起こす。GT500では、想定している周回よりも早い段階でタイヤバーストに見舞われる車両や、エンジン系トラブルの車両が出てくるなど、落ち着きのない展開を見せる。一方で小暮はその後、安定したタイムを刻み続け、12位走行中の38周を終えてピットイン。武藤へとステアリングを委ねた。

 武藤も序盤はバランスが変わってしまったクルマに慣れようと慎重な走りを見せていたが、次第にうまくコントロールしはじめ、順調にペースアップ。スムーズな走りで周回を重ねて行った。そして72周を終えてピットイン。トラブルなしのルーティンワークを迎える。このあと、小暮は105周終わりまで周回。すでにレースは後半戦を迎えており、大小様々なトラブルやアクシデントにより、ポジションを落とす車両も見られたが、この時点でNo.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTは10位を走行。ライバルに対して底力をしかとアピールすることになった。

 139周を終えてピットに戻ってきた武藤。7位走行中の128周目には自己ベストタイムを更新、決して万全とはいえないコンディションでもライバルに引けを取らない戦いを続け、小暮へとバトンを渡す。その小暮も、さらにペースアップ。トップ争いと変わりないタイムを刻みはじめ、レース終盤となる145周目には1分52秒752のチームベストタイムを更新。その後、チェッカーまで力強い走りを続けた。レースはこのままチェッカードフラッグを受けるかに思われたが、小暮がコース復帰して間もなく、2位走行中の車両がトラブルでコース上にストップ。その結果、No.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTは6位で周回を重ね、このままフィニッシュ。長く厳しい戦いを走り抜くことに成功している。

 ハプニングに見舞われながらも、6位入賞を果たしたNo.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GT。クルマ、ドライバーのパフォーマンスをキチンと発揮するチャンスがあれば、表彰台も十分手に入ったと思われるだけに、トラブルが悔やまれるが、この悔しさをシリーズ終盤戦での善戦に繋げていきたいところだ。

 なお、次回、第7戦はシリーズ初となるタイが舞台。10月4~5日、タイ東北部に位置するブリーラム・ユナイテッド・インターナショナル・サーキットで実施される。

高橋国光総監督

今回の鈴鹿戦では、厳しい条件の中、チェッカーを受け、入賞を果たしてポイントを獲得することができました。しかしその一方で悔しさは大きいですね。オープニングラップでのアクシデントはレースをやっている以上、起こり得ることなので仕方ありません。でもその後、ラップダウンから追い上げを続けたということがまず素晴らしかったと思います。最下位に落ちてしまうと、僅差の戦いを続けるGT500では取り返しがつかないくらい厳しい状況に追いやられます。それを考えたら、6位まで挽回できたのは良かったですね。これはドライバー、チームスタッフ、みんなの頑張りが大きかった。もちろん、その一方で、うまく流れを掴むことができていれば、優勝できたのではないか…という思いもありますね(苦笑)。今回は、いい流れを作る要素は揃っていたのに、その流れがどこかで少し違っていたような気がします。

小暮卓史選手

オープニングラップのアクシデントは、後方にいた1号車との接触によるものです。裁定はレーシングアクシデントになっていますが、個人的にはやはり納得し難いですね。でもそういうような状況を作った責任は自分にもあります。悔しいですが、予選で上位にいればこういうことにならずに済んだわけですから。左リアカウルを破損し、簡単な修復だけで走り続けましたが、タイムには悪い影響が出ていました。本来はもっといいペースでいけたと思うともったいないですね。何しろ、手負いの状態でもクルマは速かったですからね。特に終盤はベストタイムを更新することもできました。本来なら今回は表彰台を狙っていましたから、入賞だけで喜んでいてはいけないのですが、それでも6位入賞ができて良かったと思います。

武藤英紀選手

1000kmの長いレースで、一番最初にラップダウンされることになり、チームみんなが気持ち的にこたえたと思います。でもそこからよく攻めるレースができたと思います。とはいえ、クルマは結構ダメージを負っていました。オレンジディスクで1度ピットインしているので、はじめはバランスが崩れたクルマに慣れるのに大変でした。苦労しながら次第に慣れていったという感じです。それでもあの速さがあったので、タラ・レバになりますが、何もなければクルマは相当速かったと思います。勝てたかもしれないですね。その一方で、粘り強い走りで入賞が出来たのは良かった。トラブルがなかったのが幸いでした。なかでも最後の2スティントの走りにおいてはふたりそろってペースが良かったので、尻上がりに良くなってきました。キチンと走れる状況だったら、という思いがあるので悔しい部分もありますが、速さがあるクルマだということは明らかなので、シリーズ終盤ではしっかりと結果が出せるようにしたいです。

手塚長孝オペレーテイングテクニカルディレクター

今回はスタートでの1号車との接触がすべてでしたね。持ち込んだセッティングを修正し、予選前に修正してからはいい方向に行ってました。ただ、そのセットがもっと早い段階で見つかっていれば良かったとも思います。一方で決勝では、パーツが壊れたりした中でもいいペースで走っていました。朝のフリー走行ではタービンブローがあって、朝の最終確認がキチンとできなかったので、心配でしたが、ドライバーもスタッフも気持ちを強く持ってレースに挑んでくれたと思います。レースでもコースアウトし、接触の結果、リアカウルの一部が剥がれたので、ピットインで切り落としました。そんなクルマでもふたりのドライバーは決して悪くないタイムで走ってくれる頑張りを見せました。最後まで粘ってくれてチェッカーを受けることができたので、6位入賞という結果を残すことができたし、これは1000kmという長丁場のレースだったからこそ。1周目でチャンス喪失するところ、長いレースだったからこそ、結果に繋げることができました。次のタイ戦は、未知数の多い戦いになりますが、その中でドライバーが本来の実力を見せられるような準備をしたいですね。

決勝レース結果

PoNoMachineDriverTime/Diff.LapsBest LapTireWH
136PETRONAS TOM'S RC F中嶋 一貴J.ロシター5:37'27.9111731'51.732BS44
223MOTUL AUTECH GT-R松田 次生R.クインタレッリ 50.5491731'52.374MI84
318ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GT山本 尚貴F.マコヴィッキィ1Lap1721'52.750MI68
48ARTA NSX CONCEPT-GTV.リウッツィ松浦 孝亮1Lap1721'52.465BS8
56ENEOS SUSTINA RC F大嶋 和也国本 雄資2Laps1711'54.210BS68
6100RAYBRIG NSX CONCEPT-GT小暮 卓史武藤 英紀2Laps1711'52.752BS22
737KeePer TOM'S RC F伊藤 大輔A.カルダレッリ 2Laps1711'54.498BS100
81ZENT CERUMO RC F立川 祐路平手 晃平3Laps1701'53.982BS70
924D'station ADVAN GT-RM.クルム佐々木 大樹5Laps1681'52.933YH18
1012カルソニックIMPUL GT-R安田 裕信J-P.オリベイラ 8Laps1651'52.617BS94
1139DENSO KOBELCO SARD RC F石浦 宏明O.ジャービス27Laps1461'52.688BS36
1232Epson NSX CONCEPT-GT中嶋 大祐B.バゲット47Laps1261'53.432DL24
19WedsSport ADVAN RC F脇阪 寿一関口 雄飛73Laps1001'53.121YH14
17KEIHIN NSX CONCEPT-GT塚越 広大金石 年弘85Laps881'51.752BS48
46S Road MOLA GT-R本山 哲柳田 真孝159Laps141'52.568MI50

天候:晴| コース:ドライ
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