STANLEYTEAM KUNIMITSU

RACE 2014 SEASON

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2014 SUPER GT

ROUND4 SUGO

第4戦 スポーツランドSUGO

公式予選 7月19日(決勝レース 7月20日(
QUALIFYINGRACE
RAYBRIG NSX CONCEPT-GT、雨に翻弄される

 前日同様、曇天模様の朝を迎えたSUGO。断続的に降る雨に変わりはなかったが、やや風が強いことから霧の心配は不要となった。午前9時5分からまずGT300の予選が行われ、その25分後にGT500が予選を迎える予定だったが、その直前に2台の車両がコースアウト、セッション開始が10分遅れた。

 気温20度、路面温度23度の中、予選がスタート。ひと足先にアタックしたGT300の車両はワイパーを動かしての走行だったが、GT500のセッションが始まると、雨量が格段に減り、水しぶきも軽減する。しかしスリックタイヤでのアタックまでは回復せず、ウェットタイヤでの走行が始まった。なお予定変更により、今回の予選はノックアウト方式ではなく、1チーム1選手が代表してのタイムアタックとなったが、No.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTでは小暮が出走を任された。

 前日の公式練習同様、いい流れをキープしている小暮は着実にタイムアップ。まず1分20秒前半に入れて2番手を確保。なおもアタックを続け、その後さらにタイムアップに成功、1分19秒557のチームベストタイムをマークする。結果、総合2番手を獲得し、今季最高位のポジションから決勝のスタートを切ることとなった。

 前日、公式練習でステアリングを握った武藤は「予選が変更になり、ドライブしていませんが、土曜日の朝のセッションでは濡れている路面でも調子が良かった」と振り返る一方、「スタートは僕が担当するので、いいスタートを決めて気持ち良くレースを進め、そのまま小暮さんにバトンをつなげたい」と意欲を見せた。また、アタックを担当した小暮は「ポジションは悪くない。でもどうせなら、もうひとつ上を狙いたいところでしたね」とちょっぴり悔しそうな顔を見せたが、「クルマのコンディションもいいし、いいセットアップが見つかっているので、アジャストすればいいものが見つかっています。明日はキチンとスタートを決めてくれたら、いい流れができると思います」と期待を寄せた。

 予選からおよそ4時間余り。瞬く間に時間が進み、ピットウォークを挟んで迎えた決勝レース。時間の経過とともに天候が回復に向い、ダミーグリッドへとクルマを並べる頃には雨も上がり、路面はスリックタイヤで対応できるまでになった。とはいえ、SUGO上空にはまだ雨雲が残っているため、油断はできない。スリック、レインどちらのタイヤでも対応できるよう準備を整え、スタートを待った。

 気温22度、路面温度27度の中、直前まで明るかった空が陰りはじめ、灰色の雲が一面に広がる。ペースカーに引率されてローリングラップがスタート。するとあろうことかポツリポツリと雨が落ちはじめる。結果、不安定な路面に慣れるため、エキストラフォーメーションラップが2周追加された。

 これにより、レースは当初の予定81周から2周減算の79周でスタートしたが、ペースカーとともにピットへ向ったのがポールポジションの36号車。No.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTの武藤もピットインを予定していたが、コースのアウト側にいたため、ピットインは翌周へと持ち越される。これにより一旦後方へとポジションダウンしたが、雨がこれから降ると読んでウェットタイヤへとスイッチした武藤は、このあと粘りの走行を続ける。

 だが不運にも雨はほどなくして上がり、ウェットタイヤでの周回が厳しい状況に。そこで武藤は再びピットインし、スリックタイヤを装着。ペースを取り戻し、周回を重ねていった。このまま小暮へと引き継ぐルーティンワークまでラップを稼ぐ予定であったが、実際は予定より早めの31周終了で実施することに。実は、ワイパーを動かした際、ウィンドースクリーンについていたオイルがスクリーン一面に広がるというハプニングに見舞われていたのだ。安全面を考慮してのピットインを行い、約50秒3の時間でドライバー交代、給油、タイヤ交換などの全作業を終了。小暮をコースへと送り出した。

 ところがハプニングはまだ終わらない。コースへと向った小暮も十分な視界を得ることが難しく、それを気にしながら走行を続けることに。最終的には10周ほど周回を重ねたあとにピットインを断行。フロントのシールドを剥がしてコースへと向った。この緊急ピットインが響き、No.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTは上位グループに食い込むチャンスを逃すことになったが、レース後半、再び雨が落ちはじめた時には、すかさずレインタイヤへと交換。周りのクルマが滑る路面にやきもきしながら走行するのを尻目に、小暮は安定した足下を味方にしてペースアップに成功。最後の最後まで諦めずに力走を続けた結果、11位までポジションアップし、レースを終えている。

 予選で今季最高位となる2位を獲得したNo.100 RAYBRIG NSX CONCEPT-GTにとっては、入賞を逃すという厳しい結果ではあったが、与えられた環境の中、つねに最善を尽くし、また手応えある走りができたことは今後の戦いへと繋がるはず。8月は富士、鈴鹿と真夏の戦いが待っているだけに、表彰台はもちろんのこと、優勝を強く意識したレースを見せてくれるはずだ。

高橋国光総監督

予選では今シーズン最高位の2番手を獲得することができて、良かったと思ったのですが、決勝では天候を含め、多くのものが味方をしてくれなかったですね。いい風が吹きはじめたと期待していたものの、本当にレースは水物、ですね。その中で、戦えるNSXになっているのは明らかだと思いますし、その様子はファンの皆さまにも伝わったのではないかと思います。クルマがしっかりと進化した時点で、ドライバーはキチンとそのポテンシャルを引き出すようなパフォーマンスを見せてくれましたし、またチームもいい流れを作るべく頑張ってくれたと思います。今回の決勝レースでは結果こそ残すことはできませんでしたが、これからの富士、鈴鹿の暑い中での戦いでしっかりと強さをお見せできればいいなと思います。チームスタッフもそう感じていますので、楽しみに待っていて欲しいですね。

小暮卓史選手

ルーティンは予定通りというか悪くないタイミングだったと思います。ところがフロントウィンドウがよく見えず、またピットインすることになりました。しばらくは我慢して走っていたんですが、結局緊急ピットインし、フロントのシールドを剥がして再スタートしました。そうしたら何ら問題なく、スピードもしっかり戻り、ラップタイムを上げて走ることができました。クルマ的にも全然問題ありませんでした。後半、スリック(タイヤ)からまた今度はタイヤはレインをつけて走っていたのですが、ペースも決して悪いわけでもなくいい感じでした。しかしながら、今回のレースでは序盤から様々な外的要因が重なり、残念ながらポジションを戻すチャンスが巡ってこなかったですね。もったいない結果となりました。ただ、予選でちゃんとタイムを出せるクルマになったことは証明できたし、いいクルマになったのは明らかなことなので、あとはレースでキチンと走り切っていい結果を残すだけです。

武藤英紀選手

レース序盤でのピットインに関してですが、僕はたぶんステイアウトした人たちのほうがギャンブルだったと思っています。あの状況でスリック(タイヤ)でいくよりも、これから雨になるだろうと考えるのが普通だと思うし、実際、トップの36号車もピットインしたので、僕としては正しい選択だったと思います。ただ、その作業が1周遅れたのが痛かったですね。もちろん、結果から見るとタイヤ交換しなかったほうが前にいってるので、ステイアウトするという選択が自分の中になかったことを痛感しています。ただ、今回はクルマがすごくよかったので、今後の戦いではキチンと次に繋げるレースがしたいという思いがありますね。

手塚長孝オペレーテイングテクニカルディレクター

今回は予選までの流れが良かったですね。クルマも持ち込みの時点から良くて、予選でフロントローを手にすることができました。決勝では、ポールの36号車が入り、翌周にウチがスリックタイヤからレインタイヤに変えるためにピットインしたのですが、この判断はすべてドライバーに任せてあります。ただアウト側を走っていたので、ピットに戻るのが1周遅れたのが裏目に出ましたね。ルーティンではもう少しピットインを伸ばす予定でしたが、スクリーンの問題もあり、予定を早めました。小暮に代わったあとのトラブルは想定外でした。最後、残り13周くらいのところでまた雨がポツポツしてきたわけですが、今度は逆に早めにピットインし、レインに交換しました。すでに順位が順位だったので。すると雨の中ではいい走りを見せていましたね。今回はクルマのコンディションが向上していたものの、天候との相性がいまいちでした。うまく噛み合わなかったですね。今後はまたしっかり準備をして、チーム全体での見直しを図りたいです。ようやくクルマのセットに関しては申し分ないところまできたので、次はレースで強くならないといけませんね。

公式予選結果

PoNoMachineDriverQ1TireWH
136PETRONAS TOM'S RC F中嶋 一貴ジェームス・ロシター1'19.153BS16
2100RAYBRIG NSX CONCEPT-GT小暮 卓史武藤 英紀1'19.557BS14
323MOTUL AUTECH GT-R松田 次生ロニー・クインタレッリ1'19.679MI54
417KEIHIN NSX CONCEPT-GT塚越 広大金石 年弘1'19.694BS10
537KeePer TOM'S RC F伊藤 大輔A.カルダレッリ1'19.767BS68
68ARTA NSX CONCEPT-GTV.リウッツィ松浦 孝亮1'19.794BS6
732Epson NSX CONCEPT-GT中嶋 大祐ベルトラン・バゲット1'19.867DL2
839DENSO KOBELCO SARD RC F石浦 宏明オリバー・ジャービス1'19.917BS26
96ENEOS SUSTINA RC F大嶋 和也国本 雄資1'20.063BS56
1018ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GT山本 尚貴F.マコヴィッキィ1'20.125MI22
111ZENT CERUMO RC F立川 祐路平手 晃平1'20.184BS30
1246S Road MOLA GT-R本山 哲柳田 真孝1'20.581MI32
1312カルソニックIMPUL GT-R安田 裕信J.P.デ・オリベイラ1'20.585BS84
1424D'station ADVAN GT-Rミハエル・クルム佐々木 大樹1'22.441YH16
1519WedsSport ADVAN RC F脇阪 寿一関口 雄飛1'23.725YH14

天候:雨/ウェット(天候/コース)

決勝レース結果

PoNoMachineDriverTime/Diff.LapsBest LapTireWH
11ZENT CERUMO RC F立川 祐路平手 晃平1h47'49.984791'14.832BS30
237KeePer TOM'S RC F伊藤 大輔A.カルダレッリ1'20.016791'15.086BS68
317KEIHIN NSX CONCEPT-GT塚越 広大金石 年弘1Lap781'15.211BS10
436PETRONAS TOM'S RC F中嶋 一貴J.ロシター1Lap78R1'14.007BS16
56ENEOS SUSTINA RC F大嶋 和也国本 雄資1Lap781'15.136BS56
639DENSO KOBELCO SARD RC F石浦 宏明O.ジャービス1Lap78R1'14.315BS26
746S Road MOLA GT-R本山 哲柳田 真孝1Lap78R1'14.141MI32
818ウイダー モデューロ NSX CONCEPT-GT山本 尚貴F.マコヴィッキィ1Lap78R1'13.667MI22
912カルソニックIMPUL GT-R安田 裕信J-P.オリベイラ 2Laps771'15.936BS84
1024D'station ADVAN GT-RM.クルム佐々木 大樹2Laps771'15.056YH16
11100RAYBRIG NSX CONCEPT-GT小暮 卓史武藤 英紀2Laps771'15.362BS14
1219WedsSport ADVAN RC F脇阪 寿一関口 雄飛3Laps76R1'14.552YH14
1332Epson NSX CONCEPT-GT中嶋 大祐B.バゲット3Laps761'15.278DL2
1423MOTUL AUTECH GT-R松田 次生R.クインタレッリ 4Laps751'15.159MI54
158ARTA NSX CONCEPT-GTV.リウッツィ松浦 孝亮15Laps641'15.722BS6

天候:曇| コース:ドライ
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