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2023 SUPER GT

2023 SUPER GT

不撓不屈で挑んだシーズンに

 山本尚貴、牧野任祐両選手によるシリーズチャンピオン獲得という不動の目標を掲げ、新たな気持ちで2023年シーズンに挑んだチームクニミツ。戦闘マシンNSX-GTによるSUPER GT参戦がラストイヤーとなるだけに、是が非でもタイトルを手中に収めたい……と、2020年シリーズ王者でもあるコンビ4年目の山本、牧野両選手、そしてチームスタッフが心をひとつにしてシーズンに臨んだ。

 なお、SUPER GTでは、今シーズンからシリーズ全体の二酸化炭素排出量半減を目指した環境対応ロードマップ「SUPER GT Green Project 2030」に着手。その流れを汲み、カーボンニュートラルフューエルの導入はじめ、レースでの使用タイヤセット数の削減など、さまざまな変更をもって開幕を迎えることとなった。初戦となる岡山国際サーキットでは、新燃料やタイヤの特性を引き出すようなクルマ作りを進めた成果を発揮しようと意気込んだが、ウエットコンディションになったレースウィークは、文字通り”水を挿される”ような展開が続いた。予選8番手からスタートを切ったSTANLEY NSX-GTは、レース序盤に発生したGT300車両のコースアウトを好機と捉えてピットイン。ポジションアップを果たし、上位争いに奮闘する。だが、その後、ピットへ戻ったタイミングがペナルティと判定される事態に。加えて、レース後半には天候不順による赤旗中断からのレース終了という波乱の展開となり、猛追のチャンスもないまま12位でチェッカー。チームとしては、消化不良の一戦となった。

 迎えた第2戦は富士スピードウェイでの450kmレース。まだ雪化粧が残る富士山が雄姿を見せる快晴に恵まれた。チームは、公式練習から速さを披露。さらに予選では、Q2を担当した牧野選手がシーズン初のポールポジションを獲得する。昨シーズンよりも1セット使用タイヤが削減された条件下での初レースとなった決勝。ライバルと異なるタイミングでルーティンワークを行ない、表彰台争いを展開。しかし、終盤はライバルのトップ独走を許すこととなり、惜しくも2位でフィニッシュ。悔しさは残ったが、続く鈴鹿に向けて弾みをつけた。

 シーズン序盤の締めくくりとなる第3戦は、鈴鹿サーキットが舞台。引き続き、450kmでの戦いとなる。台風一過の好天気のなかで挑んだ予選では、公式練習からのセットアップの改善が結実。3番手からシーズン初優勝を目指してスタートを切ることとなった。梅雨入り直後ながら、快晴となった決勝レース。序盤からアクシデントが発生し、落ち着きのない展開となる。スタートを担当した牧野選手は、タイヤマネージメントに苦しみポジションを落としたが、ステアリングを引き継いだ山本選手がダブルスティントに臨んで猛追。また、レース後半は選択したタイヤが奏功、ポジション挽回に努めた。ところが、終盤にシケイン手前で複数のクルマが絡む大きな接触事故が発生。コースを含め、安全の確保が難しい状況に陥ったことを受け、レースはアクシデントによる赤旗終了で幕を下ろすことに。結果、STANLEY NSX-GTは、5位チェッカーとなった。

 およそ2ヶ月のサマーブレイクを経て迎えた第4戦。シーズン2度目の富士での戦いを前に、チームでは序盤戦の戦いを振り返り、チャンピオンシップを意識した”強い戦い”を目指そうと、気を引き締めた。真夏ならではのタフな展開が予想されるなか、まず予選で6番手を獲得。富士での連続表彰台獲得を目指した。天候が一転した決勝日。セーフティカースタートとなり、ウエットコンディションでのバトルになるかと思われたが、路面は序盤にドライアップ。タイヤ交換を含め、早めのピット作業を要した。また、火災を伴うアクシデントが連発。セーフティカー導入に留まらず、後半に発生したアクシデントでは赤旗中断となり、加えて、再開を待つ間に雨が降り始める。荒れた展開のなか、レース再開を前にタイヤ交換が可能となったことを受け、チームはハードのウエットタイヤ装着を敢行。スティントを担当した山本選手が”水を得た魚”の如く怒涛の追い上げを見せ、入賞圏外からあっという間に3番手までポジションアップを果たした。ところが、レース終了後に「給油中のタイヤ交換」違反が判明。結果、タイムペナルティを受けて6位に終わっている。

 シーズン後半戦のスタートとなる第5戦鈴鹿大会では、ホンダ勢トップ、ランキング3位のポジションから粘り強い戦いが求められた。そんななか、牧野選手が前週に開催されたスーパーフォーミュラで負傷したことを受け、予選日の出走を見送ることに。公式練習と予選の走行すべてを託された山本選手だったが、粛々とミッションを消化し、見事Q1を突破。当然のことながらQ2への出走は果たせなかったが、好位置からシーズン4度目の450kmレースに挑んだ。厳しい暑さとの戦いにもなった決勝。山本選手がダブルスティントを担当し、牧野選手へとバトンを繋ぐ。終盤、前方車両を懸命に猛追し、ポジションアップを目指すも8位でチェッカー。だが、レース後に2位の車両が再車検で失格となり、7位へと繰り上がった。

 第2戦以降、安定したレース運びで連続入賞を果たしてはいるが、優勝に手が届かないもどかしさを抱えながら迎えた第6戦。スポーツランドSUGOは、チームとしてもNSX-GTとしても得意なサーキットだけに、決勝での健闘に期待が募った。厳しい残暑となったレースウィーク。しかし、予選を前に通り雨となり、コンディションが激変。予選アタックもその影響があったか、10番手に甘んじることとなった。決勝では、持ちうるパフォーマンスを最大限発揮しようと、牧野、山本両選手が力走。表彰台を見据えた戦いを続けていたレース後半、最終コーナーを立ち上がってメインストレートに向かうなか、ピットロードに向けてステアリングを切ったGT300車両からの接触を受けてスピンアウト。大クラッシュのアクシデントとなる。チームとしてシーズン初のリタイアに終わっただけでなく、ステアリングを握っていた山本選手はドクターヘリで病院へと搬送され、その後は検査入院のため、残る2レースの欠場を強いられるという大きな痛手を負うことになった。

 SUGO戦で不測の事態に直面したチームだが、復活に向けて静かに闘志を燃やす山本選手の意思を受け継ぎ、その情熱とともに残り2戦を全うしょうと、第7戦オートポリスでは気概を持って戦いに臨んだ。”助っ人”として木村偉織選手を招く一方、山本選手もチームのサポート役として”遠隔参戦”。Q1では牧野選手が4番手通過を果たし、Q2では、木村選手がぶっつけ本番のアタックで8番手になった。決勝は、オートポリス初となる450kmレース。スタートドライバーを務めた牧野選手がダブルスティントを担当し、粘り強い走りを見せる。終盤、ステアリングを託された木村選手は懸命にタイヤマネージメントを続け、9位入賞を果たした。

 迎えたシーズン最終戦の舞台はモビリティリゾートもてぎ。ノーウェイトで迎えるラストレースは、NSX-GTのラストレースでもあり、有終の美を飾ろうと善戦を誓った。小春日和のなかで行なわれた予選では、Q1担当の牧野選手がNSX-GTトップの3番手で通過。2度目のQ2を託された木村選手も尽力し、6番手のグリッドを手にした。決勝日も穏やかな天気に恵まれ、300kmの戦いが繰り広げられると思われたが、戦いを前にして不意打ちのような雨が降り始める。滑りやすい路面コンディションとなり、スタートドライバーを務めた木村選手は、他車との接触でペナルティを受けることに。一方、ドライバー交代後、牧野選手はドライタイヤでウエット路面を力走。ポジションアップの好機を伺いながら、力強いパフォーマンスを披露する。だが、300kmという短い距離、さらにはパッシングポイントが限られるコースが味方せず、厳しい展開に。そのなかで10位を守り抜き、シーズン最後の戦いを入賞で締めくくった。

 戦いを重ねるなかで、次々と厳しい局面に見舞われた今シーズンのチームクニミツ。その都度、チームは力を合わせてタフな状況を乗り切る努力を続けた。残念ながら、満足のいく結果を残すことはできなかったが、苦境に立たされながらもつねに前を向き、全力で戦ってきた。来シーズンは、CIVIC TYPE R-GTでの新しい戦いが待ち受ける。これまで同様、いやこれまで以上の躍進を誓い、邁進していきたい。

RESULT / REPORT
  • OKAYAMA
  • FUJI
  • SUZUKA
  • FUJI
  • SUZUKA
  • SUGO
  • AUTOPOLIS
  • MOTEGI
GT500 DRIVER RANKING
Po No Driver Rd1 Rd2 Rd3 Rd4 Rd5 Rd6 Rd7 Rd8 Total
1
36
坪井 翔
宮田 莉朋
20 16 8 1 4 20 20 89
2
3
千代 勝正
高星 明誠
15 6 8 20 2 11 1 63
3
23
松田 次生
ロニー・クインタレッリ
21 4 15 1 15 56
4
16
福住 仁嶺
大津 弘樹
1 4 11 21 16 53
5
1
平峰 一貴
ベルトラン・バゲット
5 2 11 6 8 6 8 46
6
17
塚越 広大
松下 信治
4 11 2 4 8 5 11 45
7
14
大嶋 和也
山下 健太
8 8 5 11 5 3 5 45
8
8
野尻 智紀
大湯 都史樹
11 21 6 38
9
39
関口 雄飛
中山 雄一
3 3 2 15 11 4 38
10
100
牧野 任祐
16 6 5 4 2 1 34
11
100
山本 尚貴
16 6 5 4 31
12
19
国本 雄資
阪口 晴南
2 20 2 3 3 30
13
38
立川 祐路
石浦 宏明
6 1 6 5 8 26
14
64
伊沢 拓也
太田 格之進
1 15 3 19
15
37
笹原 右京
ジュリアーノ・アレジ
5 3 1 4 2 15
16
24
佐々木 大樹
平手 晃平
3 2 6 11
17
100
木村 偉織
2 1 3
GT500 TEAM RANKING
Po No Team Rd1 Rd2 Rd3 Rd4 Rd5 Rd6 Rd7 Rd8 Total
1
36
TGR TEAM au TOM'S
1 23 18 11 4 6 23 23 109
2
3
NDDP RACING
18 9 11 23 3 4 14 3 85
3
23
NISMO
23 7 2 2 18 4 18 74
4
16
ARTA
3 4 7 14 23 1 18 3 73
5
1
TEAM IMPUL
8 5 14 2 9 11 9 11 69
6
14
TGR TEAM ENEOS ROOKIE
11 11 8 2 14 7 6 8 67
7
17
Astemo REAL RACING
7 14 5 6 11 8 14 65
8
39
TGR TEAM SARD
6 6 2 4 18 14 1 7 58
9
8
ARTA
14 2 3 2 1 23 9 54
10
100
TEAM KUNIMITSU
2 18 9 8 7 5 4 53
11
19
TGR TEAM WedsSport BANDOH
5 2 23 2 5 5 1 6 49
12
38
TGR TEAM ZENT CERUMO
9 2 4 9 8 11 3 46
13
64
Modulo Nakajima Racing
4 2 2 18 6 2 3 37
14
37
TGR TEAM Deloitte TOM'S
2 8 3 5 3 3 7 5 36
15
24
KONDO RACING
1 1 6 3 2 9 1 2 25
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